ミトン越しの想い
自分の背丈以上の雪だるまの頭部の形を「えいこら!えいこら!」と整えてた(向かって右側の)雪ミクさん。
石台の上で爪先立ちで作業をしてたら、前屈みし過ぎたのかうっかり雪だるまの頭部に顔面から突っ込んでしまいました。
「ひぐっ…いっっっ……」
目尻にほんのり涙を浮かべ、真新しい鼻頭の擦り傷を押さえながら石台に座るのでした。
そこへ少し離れて雪集めをしていた(向かって左側の)雪ミクさんが慰めに来ます。
「ほらほら、泣かないの!女の子でしょ!!」
そう言いながらちょこんと隣に座り右手を握ってあげるのです。
「…ぶぅー……」
自分の不注意に慰められて腑に落ちないのか、ちょびっと拗ね気味の雪ミクさんです。
…
……
…………
そうしてる内にすっかり夜の帳が下りてしまいます。
────「「また明日だね」」「「うん」」
繋がったシルエットはゆらゆら揺らめきながら小さくなって行きました。
頭の傾いた雪だるまは心なしか少し微笑んでるようでした。
■データはCMYKであります
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