S、
ひらり ひらり
袖振りまいて
はらり はらり
風を散らして
空の色を
見上げながら
破れ傘も しとり 泣いていた
1A、
誘い花の香りに うつつ抜かす夢景色
やがて還る場所も 揺らぐ雨にかき消されていく
1B、
乱れた髪に触れた
あの日の貴方に恋をして
今でも痛む心
寂しさ まにまに 暗時雨(くらしぐれ)
1S、
ひらり ひらり
袖振りまいて
はらり はらり
風を散らして
空の色を
見上げながら
破れ傘も しとり 泣いていた
2A、
軋む音の縁側 素足曝(さら)す夏静寂(なつしじま)
雨に濡れた草は まるで今をなぞっているよう
2B、
重ねた想い乗せて
風鈴の音色と恋を詠(よ)む
どこにもいない貴方
涙も なぞれば 別唄(わかれうた)
2S、
ひらり ひらり
舞い踊る袖
はらり はらり
吹き抜ける風
空の色は
変わらないのに
時は何故か 今を 変えていく
S、
遠く 遠く
祭囃子(まつりばやし)の
声も 唄も
どれも幻
浮かぶ 花火
か弱い灯(あかり)
微(かす)か残る 夏の 香りさえ
ひらり ひらり
袖振りまいて
はらり はらり
風を散らして
空の色を
見上げながら
破れ傘も しとり 泣いていた
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