8:30 もう出勤の時間
朝ごはんの余裕ない
時計の針をゆっくりさせたい
電車のスピードを速くさせたい
もっと速くてもいい
仕事が好きなわけじゃないけど
いつも早めに出勤する君と
着合わせるチャンスがない
毎晩毎晩、君の夢をみていた
止まれないのどうしよう
クマがひどいよ
親友よ、どうすればいいのかを教えて
緊張すぎて食欲がないけど
全然痩せてない
「気が強くて、
何でもできる君は
まったく女子力がない
ちゃんとメイクして 可愛くなったら
彼もきっと気づいてくれるから
男の子はこういう女の子が好きだよ」
tara tara tatatatatarata
また水曜日
昼ごはんはコンビニ
おにぎりと、チキンラーメンと、おでん!
あ、あとコーラも
ふと視線を上げたら 君がいた
コーヒーを買っていた
私に気づいて「そんなに食べるの?」と君はこう言った
ど、どうしよう?!何を言えばいいんだ......
なんか言わなきゃ......
「きょ、今日、天気がいいですね〜」
何を言っているんだ......
早くなんか言わなきゃ......
「どんなタイプが好きですか?」
......
「え、僕?好きなタイプ?えっと......
気が強くて、
何でもできる女性が好き
他の子と違って、
メイクをしなくても、
オシャレじゃなくてもいい
君みたいな性格のいい子が好きかな」
どうしよう......どうしよう
まさかこれは、恋のはじまり?
どうしよう......どうしよう
神様、助けてくれてありがとう!
「気が強くて、
何でもできる
じゃあ、私ってどう?」
「えっと......実は
メイクをしなくても、
オシャレじゃなくてもいいけど
ごめん、やっぱり可愛いさが一番大事
ゆっくり食べてね
用事あるから、じゃあまた」
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