生まれてこれまでずっと
誰にも頼らず生きてきた
今生(こんじょう)の旅路も独り
地獄巡りも悪くない
一人で野山を駆けて
孤独に生きていた
ある日の夕暮れの中で
山を歩く影が
こちらを見上げて叫ぶ
「妖怪の子が居る!!」
『祓え!!』『殺せ!!』と口々に
鉄を振りかざした
人は醜悪で浅ましく
己の欲望に忠実で
まるでその姿 餓鬼の様
この世は生き地獄よ
所詮この世の中独り
気ままな旅も悪くない
化生と呼ばれしこの身
地獄巡りも悪くない
当ても何も無い旅も
気づけば時も過ぎ
それでも周りは変わらず
鉄を振りかざした
この首に掛かる栄誉
人はそれを求め
掛かる火の粉を振り払う
幾度繰り返した
所詮化生と呼ばれた身
誰にも愛されず生きる
所詮この世の中独り
誰も愛さないまま
どうせ当ても無き旅路
足は気まぐれ風任せ
今生の旅路も独り
地獄巡りも悪くない
きっと出会えば殺される
だから独りで逃げている
それでも心は寂しさ覚えた
気まぐれで救った子供
「ありがとう!!」の一言を言われ
私の中の孤独が
音を立て消えて行く
たった一言で救われる
そんな自分も悪くない
旅は道連れ世は情け
だからこの世は美しい
ひらがなver
うまれてこれまでずっと
だれにもたよらずいきてきた
こんじょうのたびじもひとり
じごくめぐりもわるくない
ひとりでのやまをかけて
こどくにいきていた
あるひのゆうぐれのなかで
やまをあるくかげが
「あやかしのこがいる!!」
『はらえ!!』『ころせ!!』とくちぐちに
てつをふりかざした
ひとはしゅうあくであさましく
おのれのよくぼうにちゅうじつで
まるでそのすがた がきのよう
このよはいきじごくよ
しょせんこのよのなかひとり
きままなたびもわるくない
けしょうとよばれしこのみ
じごくめぐりもわるくない
あてもなにもないたびも
きづけばときもすぎ
それでもまわりはかわらず
てつをふりかざした
このくびにかかるえいよ
ひとはそれをもとめ
かかるひのこをふりはらう
いくどくりかえした
しょせんけしょうとよばれたみ
だれにもあいされずいきる
しょせんこのよのなかひとり
だれもあいさないまま
どうせあてもなきたびじ
あしはきまぐれかぜまかせ
こんじょうのたびじもひとり
じごくめぐりもわるくない
きっとであえばころされる
だからひとりでにげている
それでもこころはさびしさおぼえた
きまぐれですくったこども
「ありがとう!!」のひとことをいわれ
わたしのなかのこどくが
おとをたててきえていく
たったひとことですくわれる
そんなじぶんもわるくない
たびはみちづれよはなさけ
だからこのよはうつくしい
暖色の言葉
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