カレンダーに赤い丸一つだけ寂しそうに付いていた
明日は一年に一回の君の誕生日
溜息をつきながら立ち上がり隣に続くドアを開ける
空っぽになった部屋
去年までは君がいた
あれだけ輝いてた時間(とき)もモノクロで止まってる
でもあの花がつぼみを開くとき少しだけ君に会えるんだ
桜舞う季節になればあの空で君が笑ってくれるから
目を閉じてそっと口ずさむんだ
君が好きだったあの歌をこの場所で
二人でよく歩いたいつもの夕暮れ、帰り道
昨日のことのように浮かんできて頭から離れない
あれだけ輝いてた夢も埃をかぶっている
でも空は青く澄んでいた
そうだ、もうすぐ君に会えるんだ
桜舞う季節になればあの空で君が笑ってくれるから
目を閉じてそっと口ずさむんだ
君が好きだったあの歌をこの場所で
そんな楽しい春もあっという間に過ぎて
毎日がまた灰になっていく
だけど下ばかり向いてたら空にいる君も悲しむだろう
だから涙を拭いて前を向くんだ
桜舞う季節が終わっても心の中にはずっと君がいる
あの日指切りしたもんね
「ずっと一緒にいようね」
桜舞う季節になればあの空で君が笑ってくれるから
目を閉じてそっと口ずさむんだ
君が好きだったあの歌をこの場所で
カレンダーの赤い丸のとなりに小さく丸をつけた
今日からは君の分まで生きていく、そう決めたんだ
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