(A)
キャッチボールをしていたら 右手の親指を突き指した

うまくペンが握れないや 大げさに聞こえるかも知れない


(B)
初めて親指の存在に気づけた

次からは大切にしていこう、なんて


(サビ)
「失って初めて気づく」
月並みの詩人たちに 使い古された言葉がある

月並みだけどその通り
それはわかっていたのに なんで君を止めなかったんだろう


(A)
タンスの中で眠っていた 君の選んだ僕のシャツたち


(B)
僕の好みとは全然違ったけど

無理矢理愛してやまなかったんだ、なんて


(サビ)
愛の墓場においてかなきゃ
頭ではわかっていても まだ愛を捨て切れていないんだ

こんなに惨めな僕を
少しでも愛してくれた証を もう少しだけ抱きしめていたいんだ


(C)
小指を使って 指切りをしたわけじゃないけど
確かにあのとき 守りたいものを見つけたんだ


(サビ)
突き指もだいぶ治った
もうペンだって握れるよ 君の名前だってほら、書けるよ

何万回書いたって
もう君は戻ってこない 僕は何を大事にすればいい？