【 三日月の蛹 】



すれ違う 誰かのヘッドフォン
「明けない夜はない」と 真夜中の歌

すり抜けた この手が向かうのは
「明けない夜」のどこか 宿り木の枝

独りよがりとか モラトリアムとか
僕の形容詞には なけなしの言葉が並ぶよ
笑うね

甘くて痛くて 吐き出した告白の糸
雁字搦めされて バラバラになりそうだ
燻ぶる心臓 混濁する輪郭線
三日月の蛹は 飛び立つ空をまだ知らない

いつからか「夢」とか「未来」とか
眩しいくらいなほど 棘を刺すのは

はみ出した 視線は上の空
出来損ないだろうか 鏡の君は

何が正解で 何が間違いで
区分なんて曖昧 カテゴライズされるのは もう
嫌だね

さまよう十字路 逃げ出し探して転げた
しゃがみこんだ膝に 堪えた成長痛
叫びは掠れた 認めたくない変質を
ささやかにも過ぎる 反抗心で支えている


甘くて痛くて 吐き出した告白の糸
溶けてゆく自意識 バラバラになりそうだ
焼け付く心臓 変貌する臨界点
三日月の蛹は 飛び立つ空をまだ知らない



【みかづきのさなぎ】


すれちがう だれかのヘッドフォン
あけないよるわないと まよなかのうた

すりぬけた このてが むかうのわ
あけないよるのどこか やどりぎのえだ

ひとりよがりとか モラトリアムとか
ぼくのけいよおしにわ なけなしのことばがならぶよ
わらうね

あまくていたくて はきだしたこくはくのいと
がんじがらめされて バラバラになりそおだ
くすぶるしんぞお こんだくするりんかくせん
みかづきのさなぎわ とびたつそらを まだしらない


いつからか ゆめとか みらいとか
まぶしいくらいなほど とげをさすのわ

はみだした しせんわ うわのそら
できそこないだろおか かがみのきみわ

なにがせいかいで なにがまちがいで
くぶんなんてあいまい カテゴライズされるのわもお
いやだね

さまようじゅうじろ にげだしさがして ころげた
しゃがみこんだひざに こらえたせいちょおつう
さけびわかすれた みとめたくないへんしつを
ささやかにもすぎる はんこおしんでささえている


あまくていたくて はきだしたこくはくのいと
とけてゆくじいしき バラバラになりそおだ
やけつくしんぞお へんぼおするりんかいてん
みかづきのさなぎわ とびたつそらを まだしらない

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

三日月の蛹【歌詞応募作】

歌詞募集をされていました、レモン・作詞家さん探してますさん作曲「「歌詞募集」デジタルロック」への応募作です。
楽曲はこちら。

https://piapro.jp/t/pXtz

思春期の悩みとか痛みとか、羽化を待つ蛹のイメージとかけてみました。

閲覧数:100

投稿日:2024/04/19 21:31:08

文字数:985文字

カテゴリ:歌詞

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