White steps into the magical
いつもへ溶けない白の彼が

無垢から始まる空箱　その内側に坐ら
変わらなくなった背丈と 比重に敏くなって

日の出の光の隙間の 通知に気を取られて
細やかな違いを 見て下さいと　伝えてみているようで

常へ反して 糸を手繰り寄せるように　明星を一筆書き
暮れの向かいへ 転 現象が型做し　そっと歩み寄る

それは
White steps into the magical
空白が下った気がした　囁くように
White steps into the magical
そこには誰も居ない儘

寒空
White steps into the magical
何かが誘っている気がした　擽るように
White steps into the magical
今日だけは 何か違いそうだ　不思議を辿る

よろよろ日が沈んで来ていた　灯火の飛檄は他所
朝から夜に架けていく 四元目の架電線

日は入り仄暗くなる気配　緑青が融けて消えて
細やかな日々を 見てて下さいと 伝えているようだったんだよ

それは
White steps into the magical
数冪で聞こえた気がした　温めるように
White steps into the magical
他には何も居ない儘

寒宙
White steps into the magical
大車が動いた気がした　揶揄うように
White steps into the magical
今日だけは何も要らぬ哉　不思議を擦る

非通知件名に溺れるほどに
被髄の動きを忘れるほどに

五時を爍かす赤橙の兆しを
宙に鏤む あの紫繁星を

久しく見ていなかった気がした

White steps into the magical
誰かが傍に居る気がした　見えないように
White steps into the magical
此処には誰も居ない儘　感じるように

White steps into the magical
じんじんと感じる気がした　分かち合うように
White steps into the magical
今日だけは 誰か居るのかな　親しむように

(White steps into the magical)
(White steps into the magical)