【レン】
狭い路地の奥の奥
積み上げられた粗大ごみ

靴を磨いて生き延びる
血のつながらない人の群れ

夢見る少女と優しい少年
幼いころから二人は一緒

「歌う夢をあきらめないで」
「僕が夢を叶えてあげるよ」
小指で結んだ小さな約束

大きな声で歌っても
きっと誰にも聞こえやしない
ならばせめて叫ぼう
僕らがここにいることを
この小さな僕らの国で

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【リン】
少女は毎日楽しく歌う
誰にも聞かれぬと知りながら

そんな少女を見ていた男
「私と一緒に来ませんか」

戸惑う少女と喜ぶ少年
【レン】「二人の夢が叶うんだね」

「私は舞台に上がれるの」
「あなたも絶対見に来てね」
小指で結んだ小さな約束

大きな声で歌うだけ
それだけで喜ぶ人がいた
ならば君のため歌おう
私がここで生きたことを
離れゆく路地裏で

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【レン】
今日は少女の初舞台
チケット握り駆けていく

劇場で見せたチケットを
「盗んだだろう」と破られた

「返してくれよ」と叫ぶと
体に走った小さな痛み

突き飛ばされて道路に転がる
右を見ると貴族の馬車
「君の晴れ姿見れないみたい」

大きな声で歌ったら
きっと君は気付くだろう
ならばせめて静かに消えよう
君はこれからスターになる
路地裏のごみは忘れていい

【リン】
大きな声で歌っても
客席に君の姿はない
それでも私は笑顔で歌う
明日も明後日もその先も
路地裏にきっと君はいるから

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【レン】
消えゆく意識の中聞こえた歌声を
きっと僕は死んでも忘れない

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【レン】
大きな声で歌ってる
君を見れないのは悔しいけれど
僕の役目はこれで終わりだ
君がスターになれるなら
僕は死んでも構わない