『レイクサイドワルツ』


湖のほとりで
妖精（フェアリー）が
ふたりワルツ

鬱蒼とした森で　
角のない鹿眠る　

薄靄煙った
湖上には
不老の女神が
彫刻の静けさで
平和祈り目瞑る

実らない果実さえ　
薫った深い夜に　

木々たちは月明かり　
ベッドにして眠った　　

嘘吐きオオカミ
「ひとりでも
寂しくはない」と
独り言つぶやいて
眠れぬ夜を眠る

夜空に浮かんだ
遠い星
無邪気に光った
星座の名もその意味も
自分の位置も知らず　

白馬と黒馬が
空を翔ぶ　
同じ夢見てた　　　　
羽根のない天使達　　　
寝返り打てば流星　　　

花びら占い
「好き」と言う
その時だけしか　　　　　　
千切れない花達が　　
咲いている花畑　　　　


（ひらがなver.）

みずうみのほとりで
ふぇありーが
ふたりわるつ

うっそうとしたもりで
つののないしかねむる　

うすもやけむった
こじょうには
ふろうのめがみが
ちょうこくのしずけさで
へいわいのりめつむる

みのらないかじつさえ
かおったふかいよるに

きぎたちはつきあかり
べっどにしてねむった

うそつきおおかみ
ひとりでも
さびしくはないと
ひとりごとつぶやいて
ねむれぬよるをねむる

よぞらにうかんだ
とおいほし
むじゃきにひかった
せいざのなもそのいみも
じぶんのいちもしらず

はくばとこくばが
そらをとぶ
おなじゆめみてた
はねのないてんしたち
ねがえりうてばりゅうせい

はなびらうらない
すきという
そのときだけしか
ちぎれないはなたちが
さいているはなばたけ