ずいぶん眠っていたようだ
急げ 命に遅刻気味
温いコーヒー 
混ざる埃に咳をする

ガラスペンに夜桜を付けて
心を書き写し……
あれ?
何も思い浮かばない

まるで
海に成った 空に成った
白夜に成った 月夜に成った みたいだ
全部に妥協している青い顔が
渦巻きに呑まれてく

結局 畢生とは 小説でもない 映画でもない
喜劇も 悲劇も 事実でしかない
結婚とか 錠剤とか おっぱいとか
全部正解で

なのに さあ どうしよっか?
皮膚呼吸すらもやる気がない
ガラスペンの先が乾いて
時間ごと掠れていく

ならば
ミミズクに成って
ナマケモノに成って
ネズミに成って
コアラに成って
値段も価値も知らずに惰眠を謳歌しよう
目脂と涙が混ざった頃に

思い出した
僕は何者でもない
詩人でもないし作家でもない
心に責任なんてないし
道のりに努力も要らない
だってさ
ガラスペンを買っただけ

何を知って 何を書いて
どれもきっと 乾ききって
インクの全部に齟齬があるまま陽を浴びる
腹が減る 背伸びする 人に成る
日々を溶かす

ライセンス

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ガラスペン 歌詞

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投稿日:2024/09/13 22:42:24

文字数:468文字

カテゴリ:歌詞

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