ぼくは今パンの耳をちぎつて窓からまいてゐる
年に一度行はれる事情聴取に備へて
切れ目なく続く温泉宿が上がりの双六で一回休み
橋桁から下に降りられない弱つた鹿を呼んでゐる

働いてお金を稼がう
お金を稼いであの鹿を助けよう
厚みのある給料袋であそこに階段を作つてやらう
あいつにとつてはどんな札束もただの食べ物だけど

ぼくはコロッケ定食を注文してキャベツの山越しに外を見てる
静かな社員食堂の湯気を上げた逆光の中
ライトアップされた世界遺産がこつちに向かつて倒れてくる
だけど鹿はうづくまり今ゐる所から一歩も動けない

働いてお金を稼がう
お金を稼いであの鹿を助けよう
厚みのある給料袋であそこに階段を作つてやらう
あいつにとつてはどんな札束もただの食べ物だけど

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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高架線の鹿

閲覧数:103

投稿日:2016/10/02 16:36:13

文字数:331文字

カテゴリ:歌詞

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