金星古書市 (オリジナル)
金星古書市
この時期になると決まって遠くの惑星からも
マニアが集まってくる金星の地下にある
イニシエの書物を求めて
金髪は意外と少ない金星の住人たちが
金葉でしきられた壁をはさみ売りさばく
イニシエの書物をならべて
ヴィーナスが微笑むと思わず買ってしまう
Be carefulよく見るとニセモノをつかんでる
顔なじみの店主によれば“近頃は客層も変わり売り上げもさっぱりだね”とスイセイパイプくゆらせる イニシエの書物に囲まれて
またヴィーナスがお目当ての客が通りすぎてく
ピーナツに少し似た店主が苦笑い
キラキラ光るネオンとナトリウム
地下とは思えぬまばゆい世界
今宵も金星の地下でざわめきがエコーする
火星や地球ではお目にかかれぬ異空間
イニシエの書物とイミシンなヒトビトが
ヴィーナスの微笑みにつつまれる
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