まん真夜中の習慣　一日分の検索履歴　ポチッと消去　あっ僕の今日が消滅
毎日昨日がリピート再生　無意味な日常の時間連鎖
だったなとそんな走馬灯　最期の僕を駆け抜けるかな

夜通し無駄足　目覚ましお出まし
頭ガンガンベッドにステイ　
あっ家出てく時間だわ　ヤバいわ遅刻は
四つ足走行　玄関ドアからこんにちわ

人生百年時代の走馬灯
百年も生きてられるかよ　エンディング手前で足止め　ゴールテープを切る命日　ただ待つ毎日
何もせず生きるには暇すぎる百年だし
僕の百年計画はグチャグチャだし
走馬灯はやらなかった後悔で溢（あふ）れるだろう
百年生きたご褒美がそれかよ

丑三（うしみ）つ時の長風呂　一日分の現実逃避　寝落ちで消去　あっ悪循環消滅
昨晩の僕がリピート再生　無価値な日常の自分連鎖
だったなとそんな冷（ひ）えた夢　寝起きの僕を支配するんだ

夜通しお湯なし　目覚まし甲斐（かい）なし
頭キンキン風呂場にステイ　
あっ電車乗り遅れたわ　飛んだわ眠気は
カニさん通行　玄関ドアからこんにちわ

人生百年時代の走馬灯
百年も生きて堪（たま）るかよ　エンディング横目に足踏み
ゴールテープに縋（すが）る現在　ただただ存在
何か成し遂げるには早すぎる百年だし
僕の人生計算はメチャクチャだし
走馬灯のやり残した後悔に傷つくだろう
百年耐えたご褒美がそれかよ　

顔の隣に添える花はイバラだな
花言葉は後悔
菊や百合を手向（たむ）ける君は初見さん

人生百年時代の走馬灯　生傷増すばかりだけど
百年を生き抜いてみるか　エンディング尻目に前進
ゴールテープが映る将来　お迎え到来
何もせず生きるのは何も無い百年だろ
僕の持ち分百年は不可逆だろ
走馬灯はやり残した納得で溢（あふ）れるかもだ
百年生きたご褒美はそれかも

何も無くはないんだ
最期の僕を”何か”が駆け抜ける