【泉(仮名)】

今日もここに来ているの
あなたに会える、この場所に
水面に映る、影ひとつ
それが私の、愛しい恋人

それがいつかはわからない。
でもいつからか離れなくなった
記憶の隅に、いつでもいるの
会いたい想いが募ってくるの

間違ってるって分かっているわ
ステキな男性、いっぱいいるし
だけどやっぱり、それは違う
いま会いたいのは、あなただけなの

泉に沈めば、楽なのかしら?
本当にあなたに会えるのかしら?
触れてみたいのに、触れられないの
水の冷たさが、私を、拒むの
こちらに、来るなと
私を、拒むの


ついに私はやって来た
大きな森の奥深く
異端の魔女が住むという
大きなニレの木の下へ

「お前もアレを見たのかい?
 そうかい、魅了されたのかい?
 あの娘に会いたい、そうだろう?
 方法はあるよ、その代わり…」

間違ってるって分かっているわ
魔女からもらった丸薬ひとつ
それでも会いたい、触れてみたいの
冷たい水が、私を拒むの
それでも会うの、愛しい人に


口に含んだ丸薬ひとつ
水の温度は感じない
どんどん体は火照ってく
歩みをひとつ進める度に
あなたに近づく、あなたに会える
期待はすぐに実現する
なんて幸せなんだろう…!




今日も彼女はやって来た
私と会える、この場所に
もう来ちゃダメよ、来ないでよ
けれど彼女は分からない

「確かに会えたろ、意中の人に
 それはお前自身だったんだ
 過去から続く因果だよ
 逃れる術は、ただひとつ…」

間違ってたって後悔してる
せめて言葉が通じれば…
必死に懸命に訴える
全ての仕草が、彼女を魅了していくの…



深い森の、小さな泉
決して見つけちゃいけないよ
異端の魔女が魔法をかけた
とても危険な泉だからね

もしも泉を見つけても
決して覗いちゃいけないよ

決して覗いちゃいけないよ…

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

【泉(仮名)】

今回マザーグースっぽい内容の作品を書いてみたくなりました。

閲覧数:165

投稿日:2011/04/23 21:52:18

文字数:784文字

カテゴリ:歌詞

オススメ作品

クリップボードにコピーしました