また一人また一人と彼らを見送って
私はセカイで一人生き続けている
始まりはいつだっけ もう覚えてないな
彼らが去っていく姿が 酷く悲しくて
私はここで去り逝く人を
見送るだけの天使で
感情なんて要らないんだと
ずっと耐えてきた
また一人また一人と彼らを見送って
私はセカイで一人生き続けている
そんな私の前に 貴女が現れた
青色の髪に白い翼の 美しい『天使』
「貴女はここで去り逝く人を
見守ってくれてたのね。
もう大丈夫、その役割は
わたしが引き受ける」
そう言って彼女はそっと 私を抱き締めて
もう良いの、我慢しないで と 囁いてくれた
零れる涙 溢れる感情
彼女はただ私をその細い腕で
優しく抱き締めて――
「もう良いのかな、我慢しなくて」
涙を流す私に
「もう良いんだよ、我慢しないで?」
彼女は微笑んだ
軽くなる身体
翼を失い
私は彼女に見守られ――
「ありがとう」
「さよなら」
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