解れてしまった糸を
手繰り寄せてみる
小刻みに震えてる
知りたくなかった
指先を伝った苦い蜜
僕を襲う衝動
焦点を歪めた
ねぇ 顔を上げてよ
僕はここにいる
その瞳に映して
零れ落ちてく
涙の真偽を問う
心は嗤う
逆さまで
掌を重ねては
温度を確かめた
なのにどうして
こんなにも愛しているのに
それは仮面の下から
のぞいた牙の嘘
悲しみに溺れたふりの
僕はピエロ
解けそうになった紐を
もう一度結んだ
無意識の産物で
意味などなかった
散らばった鏡の破片が
僕の影を無数に
映し出だしていた
その一つを摘んで
飲み込んだって
逆さまで
体の奥の方で
ずっと響いている
真っ黒な声
形がない
それなのに確かに触れる
背中を合わせて
立っているかのような
左手に握ったナイフ
「君がピエロ?」
まるでシャンデリアのように
吊るされた塊を見て
泣きながら嗤ってるのは
そう 僕だよ
そんな僕の喉仏に
鈍く光るナイフの刃を
突き立てて舌を舐めずり
そっと囁いた君もそう
きっと僕なんでしょう
ねぇ 誰のせいなの?
僕はここにいる
幻を壊して
指先を伝う
真っ赤な甘い蜜
リズムを刻む
掻き混ぜて
心の奥の方で
ずっと響いていた
真っ黒な声
形がある
手を伸ばしてみれば触れる
終わらない悪夢の
始まり告げる音
見開かれたその眼光
掌を重ねては
温度を確かめた
なのにどうして
こんなにも愛しているのに
それは仮面の下から
のぞいた牙の嘘
悲しみに溺れたふりの
僕ら ピエロ
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