Archimedes
「Archimedes」
揺らめく瞳に春を映して
まだ深く深く沈んでいく
目覚めた未来が遠く揺らいで
ほら世界はこんなに美しいのに
水を吐き出すように息継ぎをして
嗚呼、思いだけが泡を辿る
青く染まる透明にぼやけて
溺れてしまうから
後悔も意味がないのなら
すべて水に溶かして
ずっと五秒前の光が淡い夢を描いてる
鈍い雨音に手を掴まれて空を見たんだ
終端速度でいつか君に会う
泡沫の光に誘われるように
浮力に身を委ねて目をあけた
涙を溶かして肺を閉じても
ただ沈む速度に意味はないのに
今日も平穏だ胸さえ凪だ
嗚呼、昨日よりも息が重い
錆びた船に囚われてどうしても
藍に変わるから
夜風も何もないのなら
いっそ空へ飛び出せ
ずっと赫い朝に見惚れて鰓呼吸を忘れて
踠く自分がやけに愛おしくて空を見たんだ
終端速度でいつか君に会う
水面はよだかの星を見るようで
浮力に身を委ねて目をとじた
無重力の世界で戸惑いを消したら
嵩むだけの肥大した記憶なんてもう脱ぎ捨てて
二千年の時を越えて君を待つ
その先で
ずっと五秒前の光が淡い夢を描いてる
鈍い雨音に手を掴まれて空を見たんだ
終端速度でいつか君に会う
泡沫の光が届く限りは
目をあけた世界に
君がいる
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