人の好みとは多種多様。
大きな目が好きな人もいれば、小さな目が好きな人もいるし、薄い唇が好きな人もいれば厚い唇が好きな人もいる。
彼女はそうなりたかった。美しくではなく愛されるほうを選んだ。
誰からも愛される顔。なんて不可能な事をしようとして顔を失った。・・・本当に、馬鹿で可哀そうな人。
きっと私は、その人を近場でずっと見ていたから、価値観を押し付けられたから、私も実質顔を失っているのだろう。
ほら、またあの女が騒いでいる・・・。
と、思ったら目覚ましの音だった。
モゾリと動き目覚ましを止め、ベッドから出るとある事に気付いた。私は下着姿である。
どうやら、昨日お酒を飲んだみたいだ。私はお酒を飲むと脱ぐ癖がある。
・・・あの人の夢を見たのもこのせいか。
まあそんな事はどうでもいい。今日は何の仮面を被ろうか。

選択肢
1・複数の蛇の仮面
2・かっこいいヒーローの仮面
3・少女アニメの仮面
4・西洋的オカルトな仮面

投票結果
1・複数の蛇の仮面



いつからだったか、気付けば私は誰かに顔を見られることに恐れを感じていた。
・・・きっと価値観を押し付けられたのが原因だろう。
もし顔を見られたら、恐怖で動けなくなり泣き叫ぶ、らしい。それを見ていたビザンが言っていた。
まあそれは幼い時の話だけど、今もそうなるだろう。
そう、人に顔を見られたら発狂してしまうが、顔を隠すための仮面収集は楽しい。もう100を超えたかもしれない。
その中から今日はどの仮面にするか、迷う時間がまた楽しい。・・・だからマイペースだと言われるのだろうな、私は。
・・・・・・ああ、別の問題の経過報告も兼ねて、今度また病院へ行かなければ。・・・めんどくさい。
小さなあくびを1つ、そして小さく頭を掻いて、時間を確認する。・・・大学は遅刻の時間である。
どうしようか。と考えながら、私は、複数の蛇の仮面をつけた。


選択肢
1・ゆっくり大学に行く
2・病院に立ち寄る

投票結果
1・ゆっくり大学に行く


どうせ遅刻だ、仕方ない。そんな気分で、ゆっくりまったりと大学へ行った。
・・・着いた頃には夕方近く、帰る人も多い。まあ、仕方ないか。戯れていたあの猫可愛かったし。私としては満足だ。
さて、怒られに行くか。
まばらと言うか人がいないというか、そんな廊下をふらふら歩いていると、誰かに話しかけられた。
「よう、メイ。今日は蛇の仮面か。いいな、それ」
「・・・ゲッカか。今日は饒舌だな」
「・・・・・・」
ゲッカらしき黒い影に白い影が重なる。いつものように、タバコを吸っているのだろう。
こいつはゲッカ。短絡的でめんどくさがり屋な男で、数少ない私の友人5人のうちの1人。無口なヘビースモーカーってやつなのか?
・・・この仮面が気になって話しかけてきてくれたのだろうか、何にしろ珍しい。
「喋り方、相変わらず男ぽいんだな」
「私の育てが学者で男性で、故に私はこうである」
「そうか・・・」
「ああ」
そして喋る事がなくなり無言の時。
彼は、私の事をあまり知らない。だから・・・。
「・・・・・だ」
「ん?」
「・・・・・・」
白い煙が大きくなる。煙草の煙を吸って吐いたのだろう。
「すまない、よく聞こえなかった。めんどくさいだろうが、もう一度頼む」
「・・・またな」
「あ、ああ・・・」
遠ざかっていくゲッカらしき影。機嫌、そこねてしまっただろうか?
うーむ・・・まあ、いいか。それよりも今日のことを報告しに行こう。

選択肢
1・いや、やはりゲッカを追いかけよう
2・さっさと報告して帰ろう

投票結果
2・さっさと報告して帰ろう

そうだ、あの先生は時間が来れば帰ってしまう。ゲッカの事も気になるが、さっさと報告して、帰ろう。
・・・しかし何やら目の前の休憩所にて黒い影。どうやら友人がいるらしい。声など誰がかけるものか、と思っていたが。
「お、メイじゃないか」と、話しかけられてしまった。その声からしてビザンだろう。無視をしたかったが、話は続く。
「なあ、ちょっと手伝ってくれないか?これをこうさ、こういう風に切って行けばいいからさ」
どうやらハサミと紙を持っているようで、ハサミのシャキシャキとした音が聞こえる。
「忙しい」と言いたいところだが・・・そう言う作業は好きなのでついやってしまった。
2人で椅子に座り、黙々とチラシの加工作業・・・するはずだがビザンはぐいぐい話しかけてくる。
「病院は行ったか?」
「まだだ」
「髪伸びた?」
「多分な」
「今日は何かあったか?」
「・・・黒猫と戯れた」
「調子はどうだ?」
「相変わらずだ」
「・・・まだ皆には言わないのか?」
「彼らは形上の友であり、完全に信頼していない」
「そっか・・・あ!そういやさ!」
「声がうるさい」
「さっきさ、ハコを怒らせたのか頭に・・・」
ふと思い出した。時間がやばいのではと。いや、もう気付いていて諦めていたのかもしれない。
ため息ひとつを出すと、ビザンは多分、心配そうにこちらを見ている。
「うざいか?」
「いや、作業が楽しくて時間を忘れていた。話をしたかった先生、帰っただろうな。と思ってな」
「え、ごめん。・・・あとは俺がやるからさ、今からでも追いかけなよ」
「・・・わかった」
返事も聞かずに作業していたものを片付けられてしまったら、そういうしかない。
私はビザンの次の言葉も聞かずに、目的地へ向かう。
ただフラフラと、暇つぶしの構内散歩。伝言板確認も含めて。
・・・ふむ、今日は全然人がいない。こんな時間だからか。逆に、見やすい。
少し前かがみになりつつ、伝言板を確認すると、やはりあった。先生から私への伝言が。
要約すると、『今日は急用の為少々席を外しております』とのことで。
なんだ、今日はいなかったのか。じゃあ怒られないか、多分。
安堵、なのかはわからないが、息をひとつ吐いて、構内から出ようと玄関へ、階段へ向かう廊下。
ふと違和感を感じた。音、だろうか。人の気配?こんな時間に?などと、思考を巡らせても無駄だと悟り、その違和感を探るべく違和感の元へ。
とある部屋にたどり着いた。2つの黒い影。友人が2人いるようだ。
1人は立っていて、1人は眠っているようだ。どちらもそのまま動かない。
眠っている?怪我でもしたのか?と、不用意にその部屋に入る。
「おい、そいつ、どうしたんだ?」
その言葉に立っている1人はびくっとする。
私は、おかしくても色はある程度判別できる。だからその立っている1人の右手から滴るのが赤色だとわかった。
そしてその状況から推測するに、もう1人は眠っているのではなく、死んでいるのだと察する。
「・・・・・・あ」
理解した状況、突如襲ってくる恐怖、所詮私は、1人の女である。
黒い影がゆっくり近づき、私に手を伸ばしてくる。私は思わずその手を払いのけた。
音はしない。多分、何も持ってはいない?
どうする、どうすればいい、この状況。

選択肢
1・逃げる
2・隠れる
3・人を呼ぶ
4・戦う

投票結果
4・戦う

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【投票型小説】ノットフェイス【プロローグ1】

8月と言う事で企画を1つ。
第一回投票結果
1・50%
2・25%
3・13%
4・12%

1・複数の蛇の仮面

第二回投票結果(同表による再投票なので累計数で計算しています)
1・2票
2・1票

1・ゆっくり大学に行く

第三回投票結果
1・00%
2・100%

2・さっさと報告して帰ろう


文字数制限に引っかかったので分けました。
続きはこちら。
http://piapro.jp/t/BzHw

閲覧数:387

投稿日:2017/08/30 16:06:08

文字数:2,910文字

カテゴリ:その他

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