『温かい手で丸を描いて』
作詩:栖夏
僕は強いから
みんな安心して
僕を 誰も
助けてくれない
そうだよね
弱い子の方が
目を向けられて
助かるべきかもね
急に寂しくなって
肌寒さをもよおして
温もりが欲しいと
少し腕を伸ばしてしまう
わかっている
頼らずになんて
やっていける筈ないよ
もし今 一人投げ出されて
地面にすがったら
誰かが 熱を
僕に与えるだろうか
知らん振りの
人は多いけれど
誰かが 気づいて
くれるかもと期待した
「一人だけで生きていける」
今も そう思ってるけど
時には 人に
依存して もたれたくなる
暖かい食事 元はと言えば
誰が運んできた?
今踏んでいる足元は
他人が作ったもの
自分以外の人の力は
こんなにも
溢れかえっている
自己責任の限界を超えてまで
背負うなんて僕は哀しい
隣 前後方 もしくは遠く
手のひらは招いて待っている
全部 自分と他人の力が
噛み合って 流れて
こんなにも世界は
丸みを帯びて
今の自分が成されている
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