枯れた花に
僕は水をあげた
嫌な音を立てて
最後の希望さえ
燃え尽きた
僕達が出会った日も
華やかな花火が
咲いていた
僕の心臓の音が
一番煩かったあの日
綺麗な髪を纏めて
浴衣姿の君は
みんなをまとめて
遅れた僕を
引っ張ってくれた
君が笑えば
皆が笑う
君はみんなの
花火だった
花火に惚れたのは
僕だけじゃないのに
君は僕と。
重ねた唇は
火よりも、
暑さよりも、
僕よりも、
熱を持った
嗚呼、嗚呼、
叫んでも
届かないぐらい
煩かった
君が振り向けば
花火が打ち上がる
君が僕を見れば
君の瞳には
花火が見える
君の声は
花火の音よりも
か細くて小さい
雲がかった空
煙しか残らない
火薬の匂いが
鼻につく
花火が見えなくなった
君は笑わず
僕は笑う
雲は雨を呼び、
花火を濡らした
嗚呼、嗚呼、
嗚呼。
君の声が
花火で聞こえない
君の目が
涙でみえない
君の姿が
僕から消えた
枯れたから
水をあげた
花火を
忘れていた
一瞬の綺麗を与えて
花火は散る
散る
散る
散る、る、る、。
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