ナワトビしてた少年が
近づいて声をかけた
「触っても平気?噛まない?」
自信がないから「多分」と言った

「なんで草食べるんだろ」
不思議そうにそう呟いた
「撫でられるの、慣れてないね」
逃げ腰の犬にビビり気味の君

持たせてとねだる少年に
二匹連れていたから一本渡した

走って、走ってく
少年と年老いた犬
走って、追いかけてく
若い犬と年老いた僕


はしゃいで逃げる少年に
「ナワトビ片付けなさい」
と父親言うにまた駆ける
また後ろをついていく

「手が痛いや」と言うのに
放そうとしないね ちょっとかっこよかったり、
本当に好きなんだねと思ったり

町内一回り
疲れてもう走れないというのに
背中は小さく…

走って、走ってく
少年と年老いた犬
走って、息切らして
若い犬放しそうな僕


どうしたんだい?振り向いてばかり
立ち止まっては後ろを見てばかり
もしかして思い出してる?
若かりし日 走り抜けた道
あの子のせいで思い出したかな

昔はなんにも考えず
僕もがむしゃらに走ってた
いつの間にか数歩先見て
こけないように臆病になってた

走って、走ってく
毎日に取り残されて
焦って、不安になって
震えてもう動けない僕


腕を引っ張る奴がいるから
僕はまだ歩けるよ
走るのはちょっとキツイけどね

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  • 非営利目的に限ります
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走る少年と犬

誇張表現あれども、これはある日の実話。
うちの犬は親子で元気すぎる…。

閲覧数:149

投稿日:2008/05/12 14:50:48

文字数:554文字

カテゴリ:その他

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