あなたは単調な音と共に
静かに消えていったという
引き止めるなんて出来なくて
笑って送ることも無理
空っぽになった私には
幼子だけが残された
「あなたに、言いたくて、言いたくて。
何も言わない、あなたに。」
「だけど、揺れて、揺れて。
目すら開けない、あなたが。」
空は、青く、青く、
見せ掛けのように続いている
吐いて伝わるものじゃない
ただ耐えるなんて出来なくて
あの子に話すこともしない
空っぽになった私には
嘘だけが溜まる
「あなたに、会いたくて、会いたくて。
何も知らない、あなたに。」
「だけど、揺れて、揺れて。
耳を塞いだ、あの子が。」
「あなたに、会いたいって、会いたいって。
何も知らない、あの子が。」
海は、白く、白く、
ひとつところで空を見る
死んで伝わることじゃない
「ごめんね、会えなくて、言えなくて。
目を開けてくれた、あの子に。」
―あの時、あの場所
あなたの思いが知りたかった
どこまでも続く海は
同じとこで笑うだけ ―
分かってるから、言い訳にしかならない。
ごめんなさい。
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