夢幻乙女
伝えよこの腕
絡み付く罠
心臓こころに届くほど
容易くはないなら
来たれ
父の愛に育まれた
気高き乙女よ
闇に開く扉
消えゆく永遠
眠る真実は
刻の渦に飲まれて
途切れては紡ぐ
蜘蛛の絲の如く
生まれる前の記憶が
彷徨って揺らめいて
めくるめく世界
夢うつつ魅せる
生まれよ
孤独に苛まれることなく
百合に囲まれて
育った躯よ
集えよ乙女たち
この運命の日に
美しく果てなさい
虚像が見せるのは
隠された永遠
荊の鎖重く
光を奪う
生まれ変わる
翅を広げて
迷うことなく羽搏く
明日へ未來へ
今呪縛解き放ち
輝ける手を伸ばす
讃えよこの生
たとえ息絶えても
薔薇の名を冠し
命分かれた
来たれ
父の愛に育まれた
誉れ高き乙女よ
伝えよこの詩
いつか届くなら
薔薇に抱かれて
学んだ旋律
集えよ乙女たち
この終焉の日に
美しく散りなさい
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