眺めた指先が
ほんのり冷たくて
すこし触れたことが
怖くて仕方なくて
綺麗なビー玉がひとつ
転がって見えなくなった
ああふわりと薫る
夏の残り香を濁して
遥かに消えてったきみを
掴もうと手を伸ばした
傾けた感傷と
あり余る感情と
あの日熟れた恋が
いつまでも切なくて
しゅわりとソーダに滲む
横顔を見ていたかった
ああ微かに揺れる
夏の足音を逃がして
遠くで溶けだした恋を
隠そうと鍵をかけた
ああふわりと薫る
あの夏の日を濁して
ああふわりと薫る
夏の残り香を濁して
遥かに消えてったきみを
掴もうと手を伸ばした
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