『人工造花 ～ Artificial Flower』

道端の虫に問いかけた
生きてて何が楽しいのかを
真っ赤な星が消えかけた
死んだら何が哀しいのかな

一匹の虫は群れを成す
自分が生きていくシステムの中で
一粒の星が混ざり合う
自分が死んでいくプロセスの中で

僕の胸の内に病んだ花が
咲いた咲いた綺麗
それはそれは美しい
だから放っておいた

悪い心と良い心を
抱えた堕天使
人間も同じ様に
子供のうちが天使

ロボットが窓辺に話し掛ける
生きたいか死のうか２つの命令に
挟まれたまま立ち往生
誰かがネジを回すまで思考停止

私は穢れない純粋な花
そう思えば枯れない

心が生まれて幾千年
ルドンの華が咲きました
初めて視覚を試みて
自分は孤独と知覚した

人口増加
ココロ複製開始
周りに誰も居ないと
感情は飾り物

人類謳歌
恵まれない子に造花
理想の楽園に咲く
プラスチック製の華

幼稚なまま
成長を止めた飾らない夢
何にも考えない無機質な女神

偽物の楽園を作り上げた
恵まれない星を埋め尽くす造花

無邪気な君は
涸れた花を手に取って
同じ鉢に水を遣り

いつか錆びる
その華に涙の種を
誰かの手から
注いだ雨が胸に落ちる

開き出した眼差しと
心の芽は光の方へと
作り上げた楽園と現実
どちらかの扉が閉じるならば

君の居る方へ