長い夢から目覚めた場所は
ただただ白い壁の中
隣の部屋に並んだものは
ガラスケース、中に子供たち
古びた端末に無機質な文字
"Dear my friend,won't you save then?
You're our future'
わけも分からぬまま見るあどけない寝顔
仕方ないな
今この場所他にいないなら私がなるわ
母親代わりに
ねぇ誰なの?私に重荷を課したのは
忘れた先の跡
扉の外に広がる世界
荒れ果てた土地、よどんだ視界
あの子たちには見せられないな
作り直そうか
道具が無くても地面を耕す
私のこぶしは鉄をも砕く
汚れた空気もさらさらサワヤカ
私の吐息が辺りを浄化する
地上に命が溢れるまでは私の髪の毛食べればいいかな?
栄養満点!五色の味と程よいコシ、翌日にはまた伸びる
ガラスの向こうに今日も呼びかける
"Dear children,can you hear me?
you're my future!"
すぐにこの世界を建て直して見せるから
怖がらないで
この世界に救いが無いなら私がやるわ
神様気取りで
ねぇいつかこの体錆びつくその前に
私に微笑んで
彼女の体は機械に侵され
到底人とは呼べない存在でした
畏敬と恐怖、嫉妬、同情、軽蔑、忌避、嫌悪
あらゆる視線に怯えたものでした
それでも私は歌い続ける
愛する子らへの届かぬ子守唄
地上に命が溢れる音よ、閉ざされた箱の中まで響け!
かすれた意識に割り込んだ声
"Dear mother,can you hear me?"
嗚呼、この子達は認めてくれるの?
人とは呼べぬ
化け物ごときを
このきしむ体無様にさらす
人には成れぬ
「カミサマモドキ」を
この世界に音を連ねた
私はただの母親志望で
ねぇ、最期に私は造り物じゃなくて
本物に慣れたかなぁ?
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