華氏49℉から目覚めて
いつもと同じ空が綺麗でさ
二年前にタバコはやめたの
大人になって守るべきものが増えたから

そう人生はすごく短いものだから
君もその暮らしに忘れ物の無いようにね

君が繋いで抱いた心臓は
いつか僕らと同じように
悔やんでできた人生を
誰かのために使うのでしょう
それは格好悪くても
美しくて誇れる過去になるよ
タバコの煙と氷点下
緩く混ざりあって空に消える

帰り道に飲みきったココア
君の好きなものを僕も食べた
出会いこそ人生の全てだと
気づかせてくれた出会いだった
ありがとうも多分足りないまま春が来た

いつか二つ目の心臓が夢を見る夜
出会いも別れも全て残さず

物語を伝えてあげたいな
揺らいで散った紅葉も凪いでいく
それは人と同じように
過ごした季節が感情を
ゆっくり育てていくのだろう
熟れたネオンも街の喧騒も
すぐに慣れてしまうけれど
僕らの心はあの街のあの季節にずっと在る

君が繋いで抱いた心臓は
いつか僕らと同じように
悔やんでできた人生を
誰かのために使うのでしょう
いつか消える時まで忘れないように
…忘れるはずもないね
タバコの匂いがキッチンの隅に
少し残っている

君が話す言葉が表情が
いつか誰かの結ぶ先に
繋いでいければいいのにと
寒空にまた願うのでしょう
揺れた少年少女感傷日記
今もあの日と同じように
タバコの煙と氷点下
緩く混ざりあって空に消えた