よつば

「よつば」

夕焼けの帰り道のびた僕とキミの影
キミは泥だらけの手に何か大切そうに握ってた

キミは微笑みながらその手を僕に差し出す
うけとったクローバーみつめたまま黙ってた

キミが何かをくれるとき僕はいつも困ってた
けしてイヤなわけじゃない・・・
だけど素直になれない僕がキミを困らせちゃうから

ありがとうって言えなくて
いつもそのまなざしから目をそむけて
ただ照れくさくて心と裏腹の言葉で
キミをキズつけていた・・・

冬も近づくある朝ママからうけた知らせは
キミが今日の午後の汽車でこの町からでてくこと

どうでもいいような顔をして部屋に戻り窓辺を見つめた
風に揺れるよつばのクローバー
花言葉を調べてみて僕は・・・
僕は部屋をとびだした


木枯らしが僕を邪魔するかのように
容赦なく吹きつけるけど
ぐしゃぐしゃにぬれた涙顔でもかまわない
ただ僕は走る

キミにこの言葉を伝えたくて！

ありがとうって言いたくて
小さな思い出のカケラになる前に
キミと僕の心をつなぐ
発車のベルが鳴り響く

まだ・・・
ありがとうって言えなくて
ありがとうって言いたくて
走り出した汽車を追いかけて
僕は叫ぶすべてのチカラふりしぼり
キミに届け！

「ありがとう」

汽車の窓からキミがてをふる