詩に還る inst

『詩に還る』 BPM = 123

黒くない悪魔は言った　「夜の灰になった」

呂律の回らないままで　繰り返す言葉の意味は
口遊む度わからなくなった　ただ噛み締めた

失くしたら　奪えばいい
遺伝子も見ない振りしてる
頭ではわかっている

喰らっていけ　空に叫んだ
間違っててもいい　分からなくなったよ　
覚えている神様の声
知らない振りしてるんだ　きっと

拙い言葉を笑えばいい
手を染めた瑠璃色に喚いてくれよ


いるんでしょ神様 見ていて？ 僕はなにもしてないよ
「瑠璃色に染まっている」　ただの藍染だって答えるから

カタツムリに塩をかけるなら
いずれ僕らも溶けるように
防人剤でも撒かれるんだ
薬には副作用があるの

わかんないよ　どうして息をしているんだ
その心臓を握り締め　もう一歩　まだもう一歩
青になるまで　ただ朝を待っている


汲み取った　上澄み舐めて大抵
まっすぐ斜めを見ているのです
織り込んだ糸を解くのは僕だけで
変わりはいない　変わりもしない

見えないように仕舞っている

攫ってくれ 空に叫んだ
間違ってでもいい 握り締めてくれ
止まって腐ってくれればどれほどか
棲みついた意志を切り取って

落雷を打つ雲にだって理由があって
落ちた雷にだって

もし魂なんてものがあったのなら
月明りが輝かしていたのなら
たぶん今頃 目を開けることすら叶わないのだろう

「夜の灰になった」