悪魔の棲む花

たけぼう

誘う静謐　甘やかな嘘　囚われて堕ちる
ささめきと虚ろな瞳　夜に棲む花　微笑む

愛も苦悩も　嘲笑さえも　歯牙にもかけず　交わらぬまま
欲が渦巻くマダラの庭で　儚く揺れて昏く咲き誇る

宴を操り　狂気に傾く　肩をそっと押し
鮮血を浴び　紅く染まるかんばせ
蜜の誘惑香り漂う　魅せられて

罪深い声　深淵の毒　柔らかな陥穽
身を委ね心を締める　闇に棲む花　煌めく

愛も恐怖も　涙も骨も　感情さえも　すべて捧げて
無益な破滅　見下ろし食んで　美しく咲き　悦びに嗤う

夢幻の葬送　色褪せた記憶　痛みと抱擁　悪徳の糸
絡み絡まれて　あらがうことなく砕け　艶やかに包まれる

誘う静謐　甘やかな嘘　囚われて堕ちる
ささめきと虚ろな瞳　夜に棲む花

寄り添い　指　言の葉　溶けあわす
瞳は虚空　誰もいない
優美な首に触れ　思いこめる

手のひらの中　手折りそれでも　紅くまばゆく

誘う静謐　甘やかな嘘　囚われて堕ちる
ささめきと虚ろな瞳　夜に棲む花

喪失の枷　独占の罰　焼きついた想い
満ちてゆく狂気の愉楽　僕に咲く花　微笑む