ユラユラ
ポケットから銃を出し、
キミに向けて、撃鉄を起こした。
キミは真直ボクを見て、
「スキニスレバイジャナイ」
確かに呟いたんだ。
どこから僕らは間違った?
いつだってキミが望めば。全部、キミのものだった。
・・・可能性の話だけど、さ。
相対性理論の幸福感が、
キミとボクを引き剥がして行く。
褪めた色の景色廻る。
指にそっと意思を込める。
戻れないよ。もう、キミのもとへ。
ヘッドフォンから伝わる音がボクの水で波紋を広げ、
独り孤独浸る。涙滑り落ちる。
天文学的確率なのに、キミと再び巡り会えた。
だけどこれは予想通り。ボクは知ってた。
喜ぶべきか、悲しむべきか、答えはとうに出ていることさ。
アリガトウと言って。サヨウナラと言った。
全身全霊守ったものが、無意味なものだと判っただけさ。
ボクこそ本当は消えてしまえと、そう願ってたんだ。
呼吸の度に薄まっていく、意思も祈りも意地も思想も。
神も仏もボクも理想も法も科学もキミを救えず、
ベッドの周り、壁一面は、
あの日信じた全ての事で、埋め尽くされていた。
死亡推定時間何時だった?
心臓の音を口ずさんだ。
沈んでく、此処は泥の中さ、
もがくほどに自分を失くした。
並行感覚失うほどに、ボクの鼓膜がノイズで震え、
爆風轟音響く、白煙閃光刳る。
三世因果(さんぜいんが)の輪廻の果てに、
存在証明求めた罰の罪悪感と劣等感で、うまく笑えなくて。
ドアの隙間から漏れ出す光や雲の切れ間から差し込む光。
とても懐かしくて、とても暖かくて。
愛とか恋とか歌ってくれよ。
嘘でもいいから一緒にいてよ。
誰でもいいとかじゃないよ、ねえ、笑ってよ。
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