鍵を掛けずに飛び出した
部屋から見えた星空が
あまりに綺麗だったから
買ったばかりの望遠鏡片手に
歩き慣れた道を駆けていく
張り詰めた空気が清々しくて
懐かしい気持ちが
胸を膨らませる
君に電話しながら
学校の屋上目指す
扉を開けた先の静寂
視界を奪うプラネタリウム
200光年に思いを馳せた
赤いダッフルコート
レンズを覗き込む君
全てが美しく見えた気がした
レンズに夢中の30秒
すっかり呼吸を忘れて
小さくむせた君の背中
北に輝く5つの星たち
目には見えない4本の白線
息を整えた君が指を差す
白くて華奢な君の左手が
暗闇に描いたピースサイン
「ひとりじゃうまく出来ないけれど
二人だったら出来るでしょ?」
僕に向けた君の笑顔が
焦点を合わなくさせた
900日に思いを馳せる
黒いダッフルコート
顔を覗き込む君
時間が止まった気がした
夜空のWと君のV
遅れて理解する僕
暗闇のピースサインが
ふたつ並んで意味をなす
200光年に思いを馳せた
赤と黒のコントラスト
僕らの視線が交わって
ふと 笑みがこぼれた
扉を開けた先の静寂
視界を奪うプラネタリウム
200光年に思いを馳せた
二人で描いたストーリー
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