この世界がもしも明日終わるのなら…


「変わらぬ日々。」と 「退屈だよ。」と
言い合えること　こんなにも幸せだったんだと
明日信じて　昨日忘れながら
今日という日だけ繋いで生きていけたらいいのに

君が微笑む　涙に濡れて
嗚咽飲み込み　歪んだ笑顔で
「ふたりの時間を一つずつ刻み付けよう。」
最期の日（おしまい）が来るまで
「サヨナラ。」　言うまで

僕の壊れた砂時計の砂　掬う
君の手の温もりを繰り返し確かめる
もしも世界が明日終わるというなら　僕は
何が残せるだろう


無邪気な表情（かお）で話し続ける
君の声音が僕にはとても心地が良かった
ココロの隅に埋もれていた記憶
ふたりで大事に掘り起こしては言葉を失う

流れる時間　僕の隣で
たたずむ君も日に日にやつれて
「大丈夫だから。」　僕の強がりも掠れて
君には届かない
せめて手を握る

この世界がもしも明日終わるのなら…
君に伝えておかなきゃいけないことがある
ただ必死に呼吸する僕の身体はそれすら
許してはくれない


少しで構わない　僕のこの想いを
伝えたいだけなんだ　叶えて、神様
このまま君ひとり　残してなんて逝けないよ
まだ君に想いを…


霞んだ視界の中　君が泣いている
緩く掴んだ指に少しだけ力込める
君は驚いた瞳から涙を零した
深く息を吸う

「いなくなっても、僕は、君を守るから。」
震える君の手のひらが僕の手を包む
消えゆく意識の奥で　君が僕を呼んでる

―　今まで、ありがとう　―


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かわらぬひびと　たい（くつ）だよと
いいあえること　こんなにもしあわせだったんだと
あしたしんじて　きのうわすれながら
きょうというひだけ　つないでいきていけたらいいのに

きみがほほえむ　なみだにぬれて
おえつのみこみ　ゆがんだえがおで
ふたりのじかんを　ひとつずつきざみつけよう
おしまいがくるまで
さよなら　いうまで

ぼくのこわれたすなどけいのすな　すくう
きみのてのぬくもりを　くりかえしたしかめる
もしもせかいが　あしたおわるというなら　ぼくは
なにがのこせるだろ


むじゃきなかおで　はな（しつ）づける
きみのこわねが　ぼくにはとてもここちがよかった
こころのすみに　うもれていたきおく
ふたりでだいじに　ほりおこしてはことばをうしなう

ながれるじかん　ぼくのとなりで
たたずむきみも　ひにひにやつれて
だいじょうぶだから　ぼくのつよがりもかすれて
きみにはとどかない
せめててをにぎる

このせかいがもしも　あしたおわるのなら
きみにつたえておかなきゃ　いけないことがある
ただひ（っ）しにこきゅうする　ぼくのからだはそれすら
ゆるしてはくれない


すこしでかまわない　ぼくのこのおもいを
つたえたいだけなんだ　かなえて　かみさま
このままきみひとり　のこしてなんていけないよ
まだきみに　おもいを


かすんだしかいのなか　きみがないている
ゆるくつかんだゆびに　すこしだけちからこめる
きみはおどろいた　ひとみから　なみだをこぼした
ふかくいきをすう

いなくなっても　ぼくは　きみをまもるから
ふるえるきみのてのひらが　ぼくのてをつつむ
きえゆくいしきのおくで　きみがぼくをよんでる

いままで　ありがとう