彼方空

kozzy

朝焼けに染まり流れた千切れ雲
忙しなく今日という日が始まるよ　そっと

夕べからろくに眠れやしなかった
眠い目を冷たい水でこじ開ける　ほら

彼方空　指差して　笑いあう
必ず辿りつくと
同じ夢見ていたね　重ねた手のぬくもり
喜びも悲しみも後悔も不安も胸に秘めて
偽りの翼でも飛べると信じてる

目を閉じて寄せては返す水の音
静けさに世界の色が変わってく　さっと

黄昏に身を投げて落ちていく
もうどこにも戻れない
躊躇いも戸惑いも　空に吸い込まれたよう
混ざり合う　赤と青　空と海
輪郭はぼやけてく
傷ついた翼でも飛べると信じてる

穏やかな水面に揺れる夢の痕
なぜかしら滲む視界に目を凝らす　じっと

見上げれば涙に濡れる君の顔
慰めるただの言葉はいらないよ　きっと

何もない暗闇に手を伸ばす
届かない『彼方空』
遠ざかる夢の夢　果たされない約束
悔しさと切なさとやり遂げた安堵を胸に秘めて
いつの日かもう一度飛べると信じてる