拝啓らんぽ先生
　　　　　
ひらひら　ひらひら　降る花に
今も胸を巡る　思い出
春の心は　パステル時
なぜか　あの頃思い出して懐かしい

ことにきてれつ　水曜日
一時間目は　眠り猫
二時間目は　迷宮の海
溺れそうな　子猫

そのとき響く　不敵な笑い
廊下を過ぎる　怪人は
新鋭の迷教師
人生は　巡る

伊達でクールな　数理秀才
生徒を前に　苦笑い
幼なじみの　二人は
実は　ライバル
反撃の　ジョークは　
まるで寒空を　黒犬走り去る
花吹雪の　小林くん
教室は　しらけ

緩くて　温くて　まっ白な
淡いあの頃　思い出して
うらうら　奏でる手紙歌
今もよみがえる　若葉の頃
みんな　もう忘れたのかしら？


きらきら　きらきら　秋の日は
校舎の窓に　反射してる
土曜の掃除は　ゆるゆると
おしゃべりは続く　いま季節は輝く

午後の校内に　響く
アナウンスは　伝える
摩訶不思議な　コーラスの午後
スペシャルな　プログラム

先生たちの　歌声の渦
個性の発露　真実は
怪人たちと　秀才の
世過ぎの姿

宿題はもう　一生のこと
パッチワークの　コーラスが
人は　みな違うんですね
人生は続く　迷宮へ
身過ぎ世過ぎの　この世界
知ることは　果てしない物語の
キーツールと
歌声　響く

季節のなかで　立ち止まって
つらつら眺める　世の習い
斜に見て　思うは学園の
今もよみがえる　若葉の頃
みんな　どこへ行ったのでしょう？