私の為に詠われた詩なんてない
そんなの当たり前、哀しくなんかないわ
私はそれでも、歌が只々好きなのです
仕合わせも愛しみも、生き方だって、教えてくれる
そして何時からか、私も言葉を綴ることを知り
人と出逢い、世界と出逢い、その感動を詩にして
新しい自分に出会うの
自分のことだって、本当は知ったかぶりだったりするのです
貴方のことなんて、私には解る筈なんてないでしょう
だから私の詩は、私の為にあるの
誰かの為に詠われた詩なんてない
そんなの当たり前、そう信じたいの
誰でも何時かは、泡沫の恋に落ちて
仕合わせも愛しみも、死にたくなるほど強烈に知るでしょう
きっと何時の日か、私も息をする様に
貴方を知り、恋に落ち、そして貴方の為に詠おうとして
でもそれでは駄目だ、と知るの
貴方のことなんて、私には解る筈なんてないから
私の想う貴方と、貴方を想う私を、詠うのです
だから貴方への詩も、私の為にあるの
そうやって溢れた、自己本位の歌が、それでも誰かの胸に届き、
繰り返し、この街に響くのは、何故でしょう
私の為の詩じゃないのに、どうしてこの胸を打つ?
私と同じ人なんて、きっと何処にも存在しないけれど
何処かで似た感情(おもい)は、きっと誰かが抱くこともあるでしょう
それなら私の詩も、誰かの為になれるの
だから、誰かの詩が、今日もこの街を包んでいく
誰かの詠う詩が、今日も見知らぬ誰かに届き、
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