「 大きくなったら 一緒に

　世界を 見に行こうね 」







窓辺に 並べた　無数の小瓶


夕空を 詰め込んで　色相環の影



果たし そびれた　あの約束が


地平に 沈んで　戻ってこないや





焼け付いた 真っ赤な　追憶に



そっと 淡い



くちづけを





君の　笑う声が 聞きたいな


僕の　名前を 呼んでほしいな



イヤホンの　端子の 先を


君との　アルバムに 繋いでも何も



聞こえないや







グラスに 水が　満ちてくように


透明な 滴のせいで　視界が歪む



コップの 形に　切り取られた世界に


浮かぶ 僕の　悴んだ心





溶け損ねた 真っ白な　思い出に



愛と いう名の



雪解けを





もう一度　笑顔が見たいな


あの花畑を　覚えてますか



指で　枠を 作ったなら


また　写り 込んでは



くれませんか







一度限りの まっさらな　初恋を



君に 捧げよう



大好きでした




離れていても 同じ　空の下



叫べば 届くかな



愛しています





幸あれと 贈る



この花束を







あの時　君と







手を



繋げばよかったな