地球儀のてっぺんに登って

じっと見ていた

どこかでなにかが

またひとつ、きえた

雲を掴んで

口にほおばった

砂と煙と油の味

天使のはしごをそっとおろして

ちいさな子猫を迎えに行った

ナイフを持った男の子

笑顔で駆けてく

女の子は図書室の窓から

たくさんの

紙飛行機を飛ばす


おやすみを言うまで

手を繋いでいて

言葉を花束にして贈られるよりも

違う温度が

なによりも恋しい。


車のライトが目に

焼きついて離れず

街の時間が止まる

鳥が一羽、落ちる

泣いていた子供は

安らかな寝息をたてはじめて

クラクションが銃声になり

政治家が大笑いをする

草野球の白いボール

青い青い空に飛んでく

どこかで何かが

大きく変わろうとするとき

いつだって残酷なほど

人間は鈍感すぎやしないか?


おやすみを言う前に

少しだけ触れていて

思いを行為にすりかえられるよりも

違う心音が

なにより愛しい。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

トップオブ(仮)

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投稿日:2008/05/06 15:41:52

文字数:429文字

カテゴリ:その他

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