
時間が解決してくれるという誤算か
書き連ねた遺書は十数にも及んでいた
未完の結末を憶測で紡いだ未来
手繰り寄せた糸は今にも千切れる寸前で
閉塞を余儀なくされた 望み薄の応答
警告を無視した罰か 呆れるよな
悴んだ手に握った端末が最後の声を拾った
忘れもしない周波数 届いていたんだ
あの日のまま変わらずに
憐憫を仰ぐ被害者のような
表情を見るや「ごめんね」と笑った
君は何も悪くなんてないんだ
今この時も そして昔も
逃げて 傾倒して 没頭して 耽溺して
理想なんて描けなくて
傾げた首に流れる雨水を雷鳴がそっと照らした
隠しきれない震えが肩を伝ってゆく
これさえあれば生きてゆけると
最初は信じていた
全てを終わらせようと
そう簡単にはいかなかった
成し遂げられる唯一の使命は
「最期だけは」と灯る
命の総量は決まっていたんだ
こんなにも美しく夜空を舞うのか
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