月の奇麗な夜の事。
僕はあなたに傷をつけた。
とても奇麗で
とても醜い
飾り立てた言葉を並べた。


生温い風が吹く夜道に出会った少女の言葉は
「朝になれば、きっと忘れてしまえ。
 もはや明日は待ってくれはしないんだよ。」と。

そんなあなたに僕は返す。
「いいや、きっと忘れはしないさ。
 どんな風にあなたが消えてしまおうと
 あなたがいた証を、きっと覚えている」
だ、なんてさ。


知ってるさ
分かってるさ
たとえあなたが喜ぼうとも
救えやしないんだ。


月の奇麗な夜の事。
奇麗事を吐いた心は、
きっと疚しく
きっと卑しい
飾り立てた響きを醸した。


あなたが泣いたとしても
あなたが死ぬとしても
麗辞はきっと、ほどけて消える。
それが紡いだ心はきっと
それが叶えた事実はきっと
ただの、自己満足、だ。

知ってるさ
分かってるさ
救えない、救えないんだ。
あなたも、そして僕も。


月の奇麗な夜の事。
僕はあなたに傷をつけて。
そして手向けたのは
あなたを騙したのは
紛れも無い、同情だった。

最期の夜を、言葉で汚した。
最期の夜を、希望で潰した。

月の奇麗な夜の事。
月の奇麗な夜の事。

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  • 非営利目的に限ります
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月光少女

月の奇麗な夜に出会った少女は
明日死ぬ、運命でした。

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投稿日:2015/03/10 02:47:48

文字数:504文字

カテゴリ:歌詞

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