
明ク明ク 照ラス月夜ニ
揺レル 妖シ妖
夜の帳 月は朧咲いて
灯(ひかり)も無き 心静寂のまぼろし
何を憂い 何を羨むのか
答も無く 彷徨い歩く獣よ
畏れを抱いた 現世の先に
綻びた時 宵は醒めると 願う
明く明く 照らす月夜に
昏き傷痕 その身纏って
霞む夢と 見ゆ月時雨
苦き 虚の証
夜半の木隠れ 奇して巡り逢う
彩(ひかり)の無き眼 幽玄の少女
静かに響(とよ)むは 灰色の調べ
紡がれる刻 微かに燈る焔 揺らめいて
澱み 陰る 異形の心は
淡きそのやさしさに 戸惑って
紅く紅く舞う 雛罌粟と
黒き 人の瞞(まやか)し
結ばれた一瞬(とき) 燻る想いと夜空 此方へと
明ク明ク 照ラス月夜ニ
揺ラグ心ノ儘ニ 我儘ニ
命(はな)が散れども 結ぶ彼岸花
二人 浅き夢見て 酔いしれた
孤独星は 空に揺蕩う
息吹く 証をのこして
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