眠りたいから目をあけたの
忘れたいから繰り返すの
仕舞いたいから散らかしたの それならここはそうしようか
かえりたいからここにいるの ぼくらはもうここにはいないもの
              そうだろ

聞き取れないよ 一問目  転んだ裏庭
わたしの耳はどこ?    書きそびれた境目
落とした靴下       迷い込んだら百年目
言いそびれたただいま   見返したろう 栞の裏

ペンと骨と針と鍵と    塞ぐ手爪先を剥がしましょう
右の親指を隠したら    前も見えないでは歯も立たぬ
おまじないは出来上がるの 並べてあなたに誂えましょう
ひそひそと指窓越しに   どうぞ 手の鳴る方へ
きこえるもの

鍵付きの思い出に紛れましょう   腱と羽根ときみの棘と
花に似たきみの指端(ゆびは)の色  合図をひとつ鳴らしたなら
じゃあね一昨日にお会いしましょう 声を揃え頂きましょう
またね もう来ないで       あとさきが気休めのためにあるなら

ここがおしまいなの


なくしたいから握ってるの  それなら迎えはどうしようか
ここにいるからいなくなるの ぼくらはもうどこにもいないもの
              そうだろ

逃げ出せないよ 一匁   滅んだのは違和
帰りの道はどこ?     聞きそびれた名前で
握った指先        呼び出したなら喜んで
生きそびれはいないな   仕返したろう 撓(おお)りの意

ペンと骨と針と鍵と    さ 捧ぐ柃(ひささき)を育みましょう
右の親指を失くしたら   何も知らずでは腹も立たぬ
おまじないではなくなるの 捕えてあなたに差し出しましょう
かちかちと合わぬ歯の根を どうぞ 気の向くまま
なぞったもの

嘘吐きのついでに託しましょう   腱と羽根ときみの肢(あし)と
恥に似たわたしのひとりごと    合図をふたつ鳴らしたなら
じゃあね一昨日にお会いしましょう 零れ落ちた星空のよう
またね もうしないで       七寸(みずつき)は慰めのためになるのかな

ペンと骨と針と鍵と    刮(きさ)ぐ拍節器を払いましょう
右の親指を隠したら    息もしないでは的も立たぬ
おまじないにもまつわるの 努めて約束を違えましょう
ぱちぱちと薄闇越しに   どうぞ 手の鳴る方へ
めざめたもの

暁を裂帛(さいで)で拭いましょう  腱と羽根ときみの街と
誰に似たきみの微温(ぬるま)の色  合図をみっつ鳴らしたなら
じゃあね一昨日にお会いしましょう 土に伏せた羽撃(はばた)きのよう
またね もう見ないで       手続きが諦めのように降(くだ)るなら

ここがおしまいなの 果てがもう来ないとしたら

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

きささひ/ある調味料 feat.余珀&コード:ロケール

きささひ/ある調味料 feat.余珀&コード:ロケール の歌詞

閲覧数:157

投稿日:2025/01/05 19:27:57

文字数:1,130文字

カテゴリ:歌詞

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