ピンクホテル
お姫様みたいだねって笑った 無駄に豪華な天蓋を指さして
安っちい部屋に不釣り合いなベッドに二人して寝ころんだ
僕ら同じ夢を見た
何にもないような退屈な暮らし
国道に並んだチェーンの看板
物語の舞台にはあまりにも平凡なこのまちで
僕と君だけで演じた三文芝居
些細な幸せだけでよかった
真夜中のシャッター街を散歩して
手をつないでキスをして抱き合ってそれだけで生きていける
それを僕たちは永遠と名付けた
君の柔らかい笑顔 その奥をもっと知りたくて
なんならもう君になりたいくらいだった
助手席の君はその日に限って少し無口で
本当の意味で通じ合えた気がしていたんだ
お姫様みたいだねって笑った 無駄に豪華な天蓋を指さして
安っちい部屋に不釣り合いなベッドに二人して寝ころんだ
僕ら同じ夢を見た
三日月の見える晴れた夜に 聴いたこともない音楽が流れた
安っちい僕に不釣り合いな君のすべてがそこにあった
僕ら同じ夢を見た
近づけば近づくほどにさ もっと幸せになれるんだと思っていた
いつからか触れ合ったその肌が何となく冷たくて
いろんなものが噛み合わなくなっていった
君の泣き顔の意味も かける言葉も分からなくて
なんならもう君になりたいくらいだった
助手席の君はまたいつものようにだんまりで
本当の君が居なくなるような気がしていたんだ
お姫様みたいだねって笑った 無駄に豪華な天蓋のあの部屋で
黙って肌を重ね合わせて ベッドに二人して寝ころんだ
僕ら違う夢を見た
新月の夜のピンクホテル 聴き飽きた音楽が流れた
安っちい僕に不釣り合いな君のすべてが離れていく
僕ら違う夢を見た
君は最後にちょっと 悲しそうに笑った
なに一つ君の気持ちが分からなかった
助手席の空いた車を一人走らせていると
涙が零れて、初めて、全部終わった
お姫様みたいだねって笑った 無駄に豪華な天蓋を指さして
安っちい部屋に不釣り合いなベッドに二人して寝ころんだ
僕ら同じ夢を見た
新月の夜のピンクホテル 聴き飽きた音楽が流れた
安っちい僕に不釣り合いな君のすべてがそこにあった
僕ら同じ夢を見た
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