願ったって届かなくて 求めたって解けなくて
右手から滴るのは赤く濁る涙のよう
また嫌った 苛まれた 掴みかけては見失った
胸に刺さる誰かのその言葉は恰もただ物言わぬ儘
「僕は生きていますか?」
吐き出せずに呑み込んで消えた
憶えたての痛みひとつ愛し方も知らないから
この想いも傷跡も癒えずに、消えずに
伸ばす手は震えている 叫ぶ声は掠れている
また今日が、始まる。
白みだした気がした空 雲の向こう光は彼方
鈍くくすんでいた 刃渡り12cmの空
知らずのうち積み重なっていた
受け入れた過去も嘘でさえも
瘡蓋が剥がれ落ちるように口を衝いた
誰かの言葉が
たった一言伝え方も所詮ただの借り物で
そのナイフを握るほどの余力も勇気もなくて
ただ痛くて此処に居たくて 見失いたくなくて
また目を開いた 向き合うと決めた
憶えたての痛みひとつ愛し方も知らないから
この想いも傷跡も癒えずに、消えずに
伸ばす手は震えている されど進め、竦む脚で
また今日を、始めよう。
瞳の奥に映る虚像を捉えたその先に見えたもの
まだ其処にあるのなら足掻いてみせろ
届くまで!
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