健全な体があるのに　
開けっ放しの蛇口は絞めたくなるのに
どうしてだろう　
絶望している

寂しげな話題は避けたのに
何度も降りる駅は確認したのに
どうしてだろう
堂々巡り

緑の絨毯に寝転んで
誰よりも能天気な雲に名前をあげた
そうだこんな仕事がしたいな

君の名はキオ
皮をむいたからっぽの朝

君の名はロンゴ
転がる夜を回す巨人

君の名はウーム
灯りを灯せムードメーカー

君の名はレル
僕をよく知っている友人

産湯にすら浸かっていないのに
掲げられたまま泣いているこの世界
どうしてだろう
考えてしまう

誰が一番幸せで不幸かなんて
天井が低いか高いかなんて
何も知らない僕が
分かるはずもない

窓にこびり付く闇を剥がして
誰よりも自由な僕に名前をくれよ
そうだそんな仕事をくれよ

やぁ、名前の無いものたちよ

君の名はヴォン
影のない不透明な電柱

君の名はンラディ
廃墟に潜む小さな勇気

君の名はマニエリ
光を食べて生きる龍

君の名はエリヤ
永久に片思いの恋人

誰よりも先に君を見つけたい

誰よりも先に君を見つけたい

こんなに素晴らしい世界だって
気づかせてくれたのは君なんだ