乾いてる
夢が見れない
渇いてく
夢を見ない
いつもの夜
いつも同じ時間に眠る
夢に会わない
昨日も今日も
フィルムの無いカメラを回す
ただ光と音を漏らして
「こんにちは」
「おげんきですか」
闇の中
光が笑いかける
私に質問する
「いまどこにいますか」
「そちらのくらしはどうですか」
声だけを記憶に映して
カラカラ回す
雑音が心地よい
何も無いより
物が多いより
素朴な静寂が無に還る
私の元に
「わたしにあいに」
「いつになったら」
聞こえますか
聞こえてますか
眠りが夢を語る
その素晴らしき音を
サイレンのように脳を震わし
焼け野原のような静寂
「かえってこれますか」
「わたしはいつでも」
黴の臭い
染み付いたソファ
私はいつもここで
「おまちしております」
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