ａ私の中の最初の記憶
　明るい日差し草の匂い
　優しい腕に包まれて
　きっとこのまま幸せに　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
ずっと二人永遠に　　　　　　　　　　　
眠り続けると信じていた
　閉じた瞼を開けずに
　頬を濡らす紅い雨
　氷のような腕の中
　消え行く鼓動に震え怯える
　
　私が大人だったなら
　貴女を守れたのでしょうか？
　私を守る其の為に
　貴女は零に還ったのですか？

ｂ私の心いつも想う
　名前も知らぬ貴女の心
　震える貴方を真綿で包み
　心に触れる一夜の夢
　優しくなんてしないで
　愛など無いと貴方は言った

　絡ませた指をほどいて
　胸に口付け微笑む
　私をさらってくれますか？
　其の言葉をずっと待っていた

　身請けを誓い訪れた時には
　貴女は何処へ消えて行ったのか？
　私の愛を宿して
　貴方は零に還ったのですか？

ａ貴女が残した髪飾り　　　　　　　　ｂ私が贈った髪飾り
　貴女の愛した人の誓い　　　　　　 　貴女に良く似た瞳の少女　
　私を見つめる其の暖かい人は　　　 何時の日か回り逢えると信じて居た
　震える腕で私を抱く　　　　　　　　貴女は許してくれるのか？
　愛して居たの？と貴方に聞いた　　 此の子が欲しいと私は願う

ａ蘇る記憶　草の匂い　　　　　　　　ｂ冷たい身体を抱きしめて
　頬を伝う零の雫　　　　　　　　　　　 繋いだ心離さない
　私の中に二つ目の記憶　　　　　 　此処から始める零の向こうへ
ａｂ　私の心　動き始める
　　　　　　　　　　　　　このままずっと結ばれて居たい
　　　　　　　　　　　　　貴女を想う私を消して　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
ａ私も零に還るのですか？　　　　　　ｂ貴女を零になど還さない