A
昏く寒い砂の中 君は何想う
 せめて羽根が在ったなら 
月夜の光に飛べようか

B
傷つけるだけの牙
 忌み嫌われ
隠し続けた姿
 終わらぬ生き地獄

S
濡れたままの瞳を覆った
 目蓋の裏に浮かぶは
眩しすぎた憧憬の容(かたち)
 青く揺らぐ水面で
割れて消えた


A
ある日魔女がやってきて 彼に囁いた
 ”もしも羽根が欲しいなら
望みを叶えてやろうか”と
 
B
”その命引き換えに
 束の間だけ
誰からも憎まれぬ
 美しい姿に”

S’
繭の底へ躰を預けて
 ただ独りで夜を待つ
闇に逃げた烏(からす)の叫びが
 甲高く刻(とき)を告げる



S
濡れたままの瞳を覆った
 目蓋の裏に刻むは
かつてあれほど強く焦がれた
 青く高く優しい
空の景色


A’
昏く深い森の奥 壌(つち)に目を遣れば
 薄い羽根が落ちていた

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

Myrmeleontidae

物語調になりました。

幼虫の蟻地獄は砂の下で数年、
成虫のウスバカゲロウは数時間の命であることから構築しました。

Myrmeleontidaeは学名。

※ピアプロ外部へ公開する場合はライセンス条件をご参照ください。

閲覧数:549

投稿日:2012/01/14 01:13:26

文字数:369文字

カテゴリ:歌詞

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