「小説のなかの 雨を見に行こう」
そう楽しそうに笑ってたのは 誰だったか
穏やかに傘を叩く雨音が 寂しさと悲しさを思わせ
空の気まぐれが 形となって落ちてくるようだった
新しくできた水たまり レインコートの面影があった
天気予報では連日の雨 いつかの小説のなかとは程遠く
雨のなかを通りすぎる 子供たちを 遠目に
透明に 透明に 透明に
滴の向こう 色とりどりの傘の群れ
透明に 透明に 透明に
凍えるようで 息をすることも忘れて
透明に 透明に 透明に
灰色の雲が 心を蝕んでいくよ
「虹の端っこに 行ったことはある?」
そう不思議そうに尋ねていたのは 誰だったか
濁った視界が映してるものを よく見ようと目を細めた
空虚な心が 癇癪を起しているようだった
子供の目から見たらそんな 大きな湖にだって見える
想像を起こす力が あのころの面影にはあったんだろうか
小説のなかを通りすぎた あのころを遠目に
透明に 透明に 透明に
滴の向こう 色とりどりの傘の群れ
透明に 透明に 透明に
凍えるようで 息をすることも忘れて
透明に 透明に 透明に
灰色の雲が 心を蝕んでいくよ
rainy rainy rainy
降り注いでいる この雨は止むことがない
rainy rainy rainy
窮屈な声を 染めて潤わしていくよ
rainy rainy rainy
↓ひらがな↓
「しょうせつのなかの あめをみにいこう」
そうたのしそうにわらってたのは だれだったか
おだやかにかさをたたくあまおとが さびしさとかなしさをおもわせ
そらのきまぐれが かたちとなっておちてくるようだった
あたらしくできたみずたまり れいんこーとのおもかげがあった
てんきよほうではれんじつのあめ いつかのしょうせつのなかとはほどとおく
あめのなかをとおりすぎる こどもたちを とおめに
とうめいに とうめいに とうめいに
しずくのむこう いろとりどりのかさのむれ
とうめいに とうめいに とうめいに
こごえるようで いきをすることもわすれて
とうめいに とうめいに とうめいに
はいいろのくもが こころをむしばんでいくよ
「にじのはしっこに いったことはある?」
そうふしぎそうにたずねていたのは だれだったか
にごったしかいがうつしてるものを よくみようとめをほそめた
くうきょなこころが かんしゃくをおしているようだった
こどものめからみたらそんな おおきなみずうみにだってみえる
そうぞうをおこすちからが あのころのおもかげにはあったんだろうか
しょうせつのなかをとおりすぎた あのころをとおめに
とうめいに とうめいに とうめいに
しずくのむこう いろとりどりのかさのむれ
とうめいに とうめいに とうめいに
こごえるようで いきをすることもわすれて
とうめいに とうめいに とうめいに
はいいろのくもが こころをむしばんでいくよ
れいにー れいにー れいにー
ふりそそいでいる このあめはやむことがない
れいにー れいにー れいにー
きゅうくつなこえを そめてうるわしていくよ
れいにー れいにー れいにー
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